【この記事を書いた人】
CLASSIX株式会社 営業/終活アドバイザー
納骨のタイミングや期限、納骨の流れ、納骨方法について解説します
手元供養をしている遺骨も、いつかは納骨する必要があります。
事情により手元で供養している遺骨をどのタイミングで納骨するか迷っていたり、納骨に期限が定められているか気になる方もいらっしゃるでしょう。
今回は、遺骨の納骨タイミングについて、以下の4点を中心にご紹介します。
- 納骨のタイミングに決まりはないこと
- 代表的な納骨タイミング
- 納骨の流れ
- 代表的な納骨方法
納骨することで、ご家族は人生の新しいステップに進むことになります。
大切な方をいつ納骨するか、一緒に考えてみましょう。
納骨のタイミングに決まりや期限はない
納骨は、ご家族の気持ちや環境が落ち着いたタイミングで行えば大丈夫です。
法律、仏教の教えのどちらも、納骨期限についての決まりが無いことはご存じでしょうか。
ここからは、法律と仏教の教えの両面から、納骨のタイミングについて解説します。
法律上での納骨時期の決まり
日本での火葬や埋葬に関する内容は「墓地埋葬法」で定められています。
この法律内に「死後24時間以内の納骨はできない」という規定はありますが、「いつまでに納骨しなければならない」という内容の規定はありません。
そのため、法律では死後24時間経過すれば、いつ埋葬しても問題は無いのです。
仏教上での納骨時期の決まり
仏教の教えでも、納骨時期の決まりはありません。
人の魂は、亡くなると冥土の旅(死出の旅とも言います)に出ます。
旅の途中で三途の川を渡り、7日ごとに閻魔王、泰山王などの王様からの裁きを受けることになります。
7回目の裁きが終わる四十九日に魂の行き先が決まり新しい世界に旅立つため、故人が成仏すると言われているのです。
しかし、「四十九日に納骨すべし」という仏教上の決まりはありません。
また、「納骨しないと成仏できないのでは?」と心配する方もいらっしゃいますが、大丈夫です。
日本の仏教では納骨の有無と魂の行き先は関係ないため、納骨時期は故人の成仏に影響しないと言えるでしょう。
納骨のタイミングに決まりがないことを、法律、仏教の両面から説明しました。
次は、実際によく選ばれる納骨タイミングについて説明します。
5種類の代表的な納骨タイミング
一般的な納骨タイミングは、以下の5種類が挙げられます。
- 四十九日法要
- 百箇日法要
- 初盆
- 一周忌
- 三回忌以降
1つずつ、順番に説明していきます。
①四十九日法要
四十九日法要は命日から49日目に執り行われる法要で、多くのご家族に選ばれる納骨のタイミングです。
四十九日に納骨する方が多い理由は、以下の2つと言われています。
①仏教の教え上、供養の区切りとなるから
先ほど説明したとおり、四十九日は故人の生まれ変わり先が決まるタイミングと言われています。
四十九日が過ぎるとご家族も「忌明け」になることもあり、供養の区切りとして四十九日法要で納骨するご家族が多いようです。
②法要で親戚が集まるため、都合がよいから
法要のたびに親戚やお寺との日程調整をするのは、なかなか大変ですね。
四十九日の法要と同時に納骨すれば、参列者が集まる回数を減らすことができます。
ご家族、参列者どちらの負担も軽くなるのではないでしょうか。
②百箇日法要
四十九日法要以降で早めに納骨したい方は、百箇日法要がおすすめです。
四十九日法要の次が一周忌法要になるご家庭が多いため、百箇日法要はあまり馴染みのない法要かもしれませんね。
百箇日法要は、ご家族が大きな声をあげて嘆き悲しむ「哭(こく)」の状態を卒業する法要です。
ご家族が次のステップに向かうために、百箇日法要は非常にふさわしい機会だと言えるでしょう。
③初盆
四十九日の法要後、初めて迎えるお盆が初盆です。四十九日前にお盆が来る場合は、2回目のお盆を初盆とするのが一般的です。
初盆では白い提灯を玄関先につるし、自宅やお寺で法要を執り行います。
アパートやマンション用にミニサイズの提灯、ろうそくがLEDのコードレスタイプのものなどもあるため、ご自宅に合うものを選ぶとよいでしょう。
2年目以降のお盆は法要を執り行わないことも多いのですが、初盆は初盆法要を執り行うため、良いタイミングとして納骨時期に選ぶ方もいらっしゃいます。
お盆はお寺が忙しい可能性もあるため、早めに日程調整をすることをおすすめします。
④一周忌
命日から1年後の法要が一周忌です。
亡くなってからお墓を建てた方、命日を迎えることで気持ちの整理が着いた方は、一周忌法要で納骨する事が多いようです。
一周忌を過ぎると、ご家族の喪中明けとなります。手元の遺骨を供養するのに、非常に適したタイミングと言えるでしょう。
⑤三回忌以降
一周忌が過ぎると、次の法要は三回忌です。数字上は「3」ですが、三回忌は、2回目の命日での法要です。
三回忌や、それ以降に納骨する方もいらっしゃいます。
遺骨と離れることに強い悲しみを感じる方などは、納骨までに時間がかかる方も珍しくありません。気持ちの整理が付いた時に納骨すれば、全く問題はないのです。
納骨のタイミングに期限や決まりはないため、ご家族の事情に合わせた、一番良い納骨時期を選べるとよいですね。
番外:宗派(浄土宗・浄土真宗・曹洞宗)による納骨時期の違い
仏教にはさまざまな宗派があるため、宗派による納骨時期の違いが気になる方もいらっしゃると思います。
結論を言うと、どの宗派でも納骨時期に大きな決まりはなく、ご家族が納骨時期を決めることができます。
細かな規定は宗派ごと異なるため、供養を依頼するお寺に確認しておきましょう。
代表的な納骨タイミングを5種類、ご紹介しました。
四十九日にこだわらず、ご家族にとって最良の納骨時期を選んでくださいね。
次は、実際にどのような流れで納骨を行うかをご紹介します。
納骨の流れは7ステップ
納骨の流れは7ステップで行うことができます。
順番に見ていきましょう。
①納骨先の資料を集めて見学する
納骨先の候補を検討し、資料を集めます。
近年はホームページを持っているお寺や霊園も多いため、上手く活用したいですね。
候補先が決まったら、実際に見学して現地の細かな点を確認しておきましょう。
②納骨する墓地と契約する
希望の墓地が決まったら、利用契約を結びます。
お墓は長いお付き合いになるため、不明な点を全て確認してから契約を結びたいものです。
契約後は契約プランに応じた墓地の利用料を支払い、実際のお墓の準備を行いましょう。
③埋葬許可証の確認
納骨の際は、自治体発行の火葬許可証に火葬日時と火葬場の押印がされたものである「埋葬許可証」が必要です。
埋葬許可証がないと墓地が遺骨を受け入れてくれず、自分で勝手に埋葬すると法律違反になるので注意しましょう。
普通は火葬場で受け取っている
埋葬許可証は、火葬終了後に火葬場の職員から受け取ることが一般的です。
埋葬許可証が見つからない場合、骨壺の納められている箱に入っているケースもあります。
一度見てみるとよいでしょう。
紛失した場合は再発行する
もし埋葬許可証を紛失した場合は、再発行の手続きが必要です。
死亡届を提出した自治体の窓口に問い合わせると、対処方法を教えてくれます。
火葬からの年月や自治体によって、必要な書類や発行に必要な日数が異なるため、早めに手続き方法を確認するのがおすすめです。
大阪市旭区・千葉県柏市などは、再発行を郵便で申請できます。窓口に行く時間が取れない場合は、郵送で申請できないかを聞いてみるのもよいですね。
④お寺と日程調整をする
お墓の準備や埋葬許可証が揃ったら、お寺と日程調整を行いましょう。
命日が近い場合、回忌法要と納骨法要を合わせて行えるかなども確認しておきたいですね。
お盆、年末、お彼岸はお寺も忙しいため、早めの連絡をおすすめします。
⑤参列者へ連絡する
お寺との日程調整が完了したら、納骨日時と場所、交通アクセスなどを参列者に連絡します。
法要後に会食をするなら人数把握が必要です。参列者の人数やアレルギーの有無も確認しておきましょう。
⑥当日の準備をする
お供え物、会食、当日の服装など、納骨当日の準備を行います。
お供え物
納骨時のお供え物は、祭壇に飾る花、お菓子、お酒、お線香などが一般的です。
祭壇に飾る花は、以下のものを避けるとよいでしょう。
- トゲのあるバラ・・・殺生を連想するため
- 香りの強い花・・・お線香の香りを妨げるため
- 彼岸花やチューリップ・・・毒があるため
しかし、故人がバラを好んでいた場合、トゲを取り除けば供えても大丈夫です。
お供え物の種類や量は、法要の規模やお寺によって異なるため、確認しておくとよいでしょう。
会食
納骨後に会食をするなら、会食会場を決め、料理を予約します。
料理の価格は1人当たり3000~1万円ほどが相場で、ゆっくりと故人の思い出を語るために個室を用意するのもおすすめです。
会食会場までの送迎サービスがあるお店もあるため、必要に応じて利用しましょう。
納骨当日の服装
納骨当日の服装を用意します。
四十九日法要前の納骨は、喪服を着用します。
四十九日法要を過ぎている場合は、男女ともに黒いスーツを着用します。男性のネクタイは黒を選びましょう。
近しい家族だけの場合などは、落ち着いた色合いの平服で良い場合もあります。
服装の格を気にするお寺もあるため、日程調整の際にお寺に確認しておきましょう。
⑦納骨を執り行う
当日は、参列者と共に手厚い供養を執り行いましょう。
納骨をすることで淋しさを感じる方もいらっしゃいますが、その淋しさも参列者の方と共有することで次のステップに進みやすくなります。
故人との思い出を振り返り、参列者の方と語り合うのもよいですね。
番外:僧侶を呼ばない納骨の場合
家族のみで納骨する方で、僧侶による読経を不要と考える方がいらっしゃるかもしれません。
僧侶を呼ばない納骨も可能ですが、お寺のお墓に納骨する際は、読経なしで納骨する旨をお寺に必ず連絡しておきましょう。
盗難防止のためにお墓の蓋が重いこともあるため、お墓の開け閉めは石材店に依頼したほうが無難かもしれません。
また、ご家族が読経を必要ないと考えても、親戚などの参列者は読経なしでの納骨に違和感を覚えるかもしれません。
トラブルを防ぐために、親戚やお寺に事前連絡を欠かさないようにしましょう。
納骨までの流れをご紹介しました。1つずつの過程を丁寧に行い、手厚い供養を行いたいですね。
近年は昔ながらのお墓以外の納骨方法を選ぶ方も増えています。
そこで、次は4種類の代表的な納骨方法をご紹介します。
4種類の代表的な納骨方法
墓地への納骨は、以下の4つの方法が代表的です。
- お墓を建てて納骨する
- 樹木葬にする
- 永代供養にする
- 納骨堂に納骨する
それぞれ違った特色があり、どれも非常に良い納骨方法です。
順番に説明していきます。
①お墓を建てて納骨する
1つ目は、お寺や霊園にお墓を建てて納骨する方法です。
古くから行われてきたため、非常に馴染みのある方法ですね。
お墓は次世代に継承できるため、お子さん達にお墓を残すことができます。
新しく購入する場合は、自分好みの広さや墓石のデザインを選べることもメリットと言えるでしょう。
②樹木葬にする
2つ目の方法は、墓石の代わりに樹木や花を墓標とする樹木葬です。
遺骨が自然に還るという考え方は多くの人に受け入れられやすく、近年は樹木葬の墓地を併設するお寺や霊園も増えています。
③永代供養にする
3つ目の方法は、永代供養です。
永代供養とは、納骨後のお墓の管理や法要を全てお寺に一任する方法です。
後継者がいない方、お墓から離れて暮らしている方などは、お墓の管理に不安を覚える方も多いです。
今はお墓の管理ができる方も、将来のことを考えて永代供養を選ぶことが増えています。
④納骨堂に納骨する
4つ目の方法は、納骨堂への納骨です。
納骨堂とは言葉の通り「納骨するためのお堂」で、墓地が納骨のために用意した室内スペースです。
室内でお墓の管理が簡単なため、近年はお墓ではなく納骨堂への納骨を選ぶ方も増えています。
永代供養が含まれている契約プランも多いため、お寺でしっかり供養したいがお墓の管理が難しい方にもよく選ばれる方法です。
4つの代表的な納骨方法をご紹介しました。
近年は、お墓の掃除や法要の開催などの管理が難しい方も増えており、永代供養や永代供養付き納骨堂のニーズが増えています。
「お寺でまるっとお葬式」なら、事情により法要が難しい方、高齢・体が不自由などで法要ができない方、どなたでも安心して大切な方を供養いただけます。
「お寺でまるっとお葬式」ならお寺で丁寧な供養を行えます
最近は亡くなった方の遺骨をお寺に納骨し、法要をオンラインで行えるサービスも登場しています。「お寺でまるっとお葬式」は、お寺の手厚いサポートを受けられるので、安心して大切な方の供養を任せられます。
お寺でお葬式
直葬で火葬した後、お寺の本堂でお葬式を執り行います。
自宅からオンライン参加も可能です。
離れた場所でも、スマホなどのデバイス15台まで同時に参列できます。
お寺でお墓(納骨)
お葬式をおこなった寺院の納骨施設で、丁寧に永代供養させていただきます。
3年・7年・13年プランにより、個別にご供養させていただきます。
年12回法要
月命日・お彼岸・お盆など、毎月お寺から合同法要の様子がオンラインで配信されます。
お寺にお参りに行くことも可能です。
世界から法事
四十九日・一周忌・三回忌なども、オンラインでおこなうことができます。
海外にも配信されるので、離れたご家族様などにも喜ばれます。
まとめ
納骨のタイミングに期限や決まりはないため、ご家族に合わせた時期を選ぶことが大切です。
四十九日法要で納骨するご家族が多いのですが、それ以降に納骨しても全く問題ありません。
故人が安らかに眠れるよい納骨先を選び、手厚い供養を執り行ってくださいね。
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